リズム考(5) 小池理論の5連符、7連符

さて、短歌のリズムについて四拍子説が怪しいことは、前回いろいろな歌人の朗読を聞くことで確信に変わった。 しかし、「元来、日本語には絶対的な時間の尺度たるリズムなど始めからない。人それぞれ歌い方は違うものであり、数値化・定式化できない「ナマ」感がある。その定式化できなさ、揺らぎこ...

リズム考(4) とんでもない朗読

まずはこれを聞いて欲しい。 ヤバい…ヤバすぎる。何これ。こんなん笑うわ。 一首目は 「昨日より波浮(はぶ)の港にとどまれば東北風(ならい)吹けども鶯ぞ鳴く」 と言っているのだが、もう一度言いたい。何だこれ。 きのうよりはぶのみなとにとどまればならいーふけどもうぐ...

リズム考(3) 疑わしきは私

前回の続き。三拍子の唱歌である。 それでは、残った「故郷」と「ぞうさん」はどうだろう。 故郷  (六四調) うさぎおいし かのやま こぶなつりし かのかわ ゆめはいまも めぐりて わすれがたき ふるさと 「故郷」は六四調である。この六四調、な...

リズム考(2) 四拍子 vs 三拍子の歌

五七五七七は四拍子だと思っていたが、なんとなく怪しい。それなら何なのかと先を急ぐ前に、ちょっと三拍子の歌の話をしてみよう。   一般に三拍子は西欧のもので、日本にはなかったリズムだと言われる。私もそれはそうだろうと思う。 しかし私が生まれた時には当然はじめからあって...

リズム考(1) 別宮はBeckだった問題

五七五七七は四拍子だと思っていた時代が私にもありました。 ……と書くと、まるで小さいころから短歌や日本語のリズムについて考えてきたかのようだが、このことについて意識的に考えたのはここ1ヶ月のことである。 もっとも、五七五七七が四拍子だというのは本当に昔から思っていて、例えば...